グルコサミンの基礎
「グルコサミンが人気成分となったわけ」

高齢化と食文化の欧米化による肥満は、これまで日本人に少ないとされていた、しつこい関節の痛みに悩む人たちの増加を加速させるようになってきました。

まさに、現代社会が生んだ生活習慣病（成人病）として、今後も罹患者が増え続けることが予想されています。

膝の関節は普通の速さで歩く時に、体重の約三倍もの力がかかり、また階段の昇り降りだと体重の五〜七倍という重い力がかかってきます。

このように負担がかかる関節で、最も重要な働きをしているのが軟骨です。

軟骨は関節の中で骨の先端にあって、骨と骨とが直接ぶつからないように、また外からの力が加わった時はクッションの働きをし、骨に対する衝撃をやわらげて、関節の動きを滑らかにします。

そのために軟骨は、骨のようにカルシウムを含んでいませんし、骨よりも弾力性があってタイヤのゴムのような成分として、プロテオグリカンという成分を含んでいます。これは非常にトロトロした粘り気のある物質で、タンパク質の一種です。

このプロテオグリカンは、中に８０％もの水分を含むことができ、それを吸収したり供給することで、外からのショックを吸収してくれますが、この成分を構成しているのはヒアルロン酸を中心に、コンドロイチン硫酸やグルコサミンという、糖とタンパク質の結合した糖タンパクなのです。

軟骨の老化は、タンパク成分のコラーゲンとともに、このプロテオグリカンが減少し、水分を保持できなくなって、軟骨がどんどん擦り減ってしまうことにあります。

軟骨には、骨にみられる血管がないのも大きな特長となっていますが、そのためにいったん傷つくと骨のように修復されないという特長の原因となっています。

この関節表面の大切な関節軟骨がすり減った状態を、変形性関節症と呼んでいます。

関節軟骨そのものには、神経はありません。ですから、すり減ったための痛みはありません。しかし、軟骨がなくなると、関節の表面での摩擦がふえ、それによって摩耗物質が生じ、それが刺激となって関節に炎症が生じるようになると、痛みを感じるようになってきます。

すでに、ヨーロッパでは５５年も前に、グルコサミンやコンドロイチン硫酸を経口投与して、変形性関節症の痛みの軽減に役立つことが発見され医薬品として認知されています。

最近アメリカでも、グルコサミンが大変なブームとなってきました。その火つけ役になったのは、ジェーソン・シオドサキス博士の著書、「関節炎を治す」でした。出版後まもなく５０万部を、さらに現在８０万部を越える大ベストセラーとなっています。

このように変形性関節症などの関節痛の改善や予防に有効なグルコサミンにご興味がある方はグルコサミンサプリメントの利用をご検討ください。

なおグルコサミンの飲み方として、上記の通り同じく軟骨を形成する成分であるコンドロイチンや、高い保水能力のあるヒアルロン酸を同時に摂ることで相乗効果が期待できると言われています。最近ではこれら３つの成分が同時に摂れるサプリメントも販売されていますので、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。

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