変形性関節症の治療法
「一次性変形性関節症の原因」

こちらのコラムでは変形性関節症の治療法についてご案内していきたいと思います。

さて、物理的な負荷が二次性変形性関節症の原因であることはわかっています。一次性変形性関節症の原因についてはいまだはっきりしたことは言えませんが、いくつか、仮説があります。

１．軟骨基質に異変が起きたのかも知れません。軟骨細胞が軟骨内の成分バランスを維持しているのですが、このバランスが何かの拍子に崩れ、体は新しい軟骨細胞を生産した結果、軟骨はコラーゲンやプロテオグリカン、グルコサミンで溢れかえってしまう。体は今度は、余剰分を処分しようとするのですが、この時、たくさん処分し過ぎて、軟骨の成分バランスが前以上に偏ってしまうのです。

２．軟骨内の酵素が暴走しているのではないか。体は、軟骨の傷を修復しようとして、軟骨細胞を増産することがあります。軟骨細胞はグルコサミンやコラーゲン、プロテオグリカンを生産する一方、古くなったグルコサミンやコラーゲン、プロテオグリカンを分解する酵素も生産しているのです。軟骨細胞が増えるということは、軟骨を形成する成分と、軟骨を破壊する成分とが同時に増えるということです。軟骨を破壊する酵素が必要以上に生産されると、軟骨を形成するコラーゲンの繊維は細くなり、コラーゲン繊維に絡みついていたプロテオグリカンやグルコサミンも居場所を失って姿を消してしまいます。水分を保つプロテオグリカンやグルコサミンが少なくなると、軟骨は乾燥してしまい、ひびが入りやすくなるのです。軟骨を破壊する酵素の量と、軟骨の形成を促す酵素の量は、常に一定に保たれています。このバランスが崩れて、軟骨を破壊する酵素が暴走すると、大変なことになります。

３．軟骨下骨への外傷に原因があるのではないか。軟骨と接している骨が外傷によってダメージを受けると、ダメージを埋め合わせるために骨成分が生産されます。骨成分が必要以上に生産されると、骨の表面が凸凹になり、関節の故障を招きます。

４．骨の病気が原因なのではないか。アルコール中毒、感染症、外傷などによって、骨への血液の供給が低下することがあります。その結果、骨は衰弱し、骨が砕けやすくなったり、骨壊死が起こります。

５．肝機能の異常に原因があるのではないか。肝臓は、軟骨や骨の形成を促すホルモンを分泌しています。肝機能が正常でないと、骨の過剰発育や軟骨の損傷が生じます。

＜続く＞

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